書名: |
小生瀬 |
著(訳)者: |
渡邊哲男 |
発行社(者): |
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印刷所名: |
有限会社 赤札堂印刷所 (栃木県さくら市) |
サイズ: |
A5 |
ページ数: |
272 |
発行年月: |
2024(令和6)年04月12日 |
分類: |
(03) 文芸=小説部門 |
定価(本体): |
定価(本体)1800円 |
<内容紹介>
慶長年間、常陸保内・小生瀬一村を消滅させた事件の定かな史料は残っていないと言われています。ただ、人々によって密かに語り継がれ、明治以降、ようやく公然と研究・探索された資料は残っています。この物語はそうした資料を頼りに綴ったフィクションです。
この事件を最初に知ったのは、山川菊栄著「覚書幕末の水戸藩」(岩波書店)の冒頭に出てくる「生瀬の農民騒動」でした。資料を読み調べ、現地を訪ね歩くうちに疑問が浮かんできました。資料等に頻出する「農民騒動」「生瀬の乱」「農民一揆」…、あたかも農民が率先して争いを引き起こしたかのような記述、取り上げ方です。しかし、農の民は四季を相手に平和に生きる自然の申し子です。本来、騒動を起こす暇も理由も無い筈です。騒動の因はむしろ農民の反対側、支配側にあり、資料を残す側、歴史を書く側にも根本的な誤りがあるのではないか、この率直な疑問が物語を書くに至った動機です