この法人は、日本全国で広く行われている自費出版を新しい民衆文化ととらえ、その普及を通じて学術、文化、芸術の振興と豊かな市民生活の創造を目指す。そのため、自費出版物の作成にかかわるあらゆる活動を支援するとともに、インターネットなどを利用した自費出版情報の発信、流通、販売支援などを行い、多くの市民が自由に自己表現できる社会の実現を目的とする。
自費出版は広く行われるようになったにもかかわらず、利用者に出版・印刷や流通に関する知識が少ないため製作サイドの一方的な情報により恣意的な市場が形成されている現状があり、著者は消費者としての保護も十分に受けていない。また、優れた研究や創作、生活体験等の貴重な記録があるにもかかわらず社会的な評価を受ける機会もほとんどなかった。こうした問題を解決するため任意団体として発足したNPO法人日本自費出版ネットワークはこれまで8年間にわたり、
- (1)
- 「自費出版ホームページ」によるデータの蓄積と公開活動。
- (2)
- 「日本自費出版文化賞」の主管運営。
- (3)
- 「日本自費出版フェスティバル」の開催。
- (4)
- 「自費出版ネット書店」の開設。
- (5)
- 「NPO法人日本自費出版ネットワーク認定自費出版アドバイザー」の育成・研修と認証制度の運営。
- (6)
- 自費出版製作に関するパンフレットの作成。
- (7)
- これらの目的達成のため、会員相互の交流会と情報交換・研修会の開催。
など、自費出版物の社会的評価の向上、自費出版物の記録保存と流通支援、自費出版に関する知識PRと良心的なアドバイスのできる体制の確立に努力してきた。
以上の活動を充実させ、さらに自費出版・表現活動に自己実現をもとめる多く人たちのための各種文化活動を通して、成熟した社会の形成をはかり公益に寄与できると考える。
これらの活動は営利団体としては存立することができない。しかし、特定非営利活動法人としての法人格を取得することで、この活動に賛同する不特定多数の人たちが安心して参加できることと、会の運営に責任を持つことができる。そのことが今回特定非営利活動法人を設立、移行しようとする趣旨である。