Book No.15456
書名: 有明月の月下美人
著(訳)者: 渡川鷹之
発行社(者): 文芸社
印刷所名: 株式会社暁印刷
サイズ: 四六判
ページ数: 116
発行年月: 2025(令和7)年07月01日
分類: (03) 文芸=小説部門
定価(本体): 定価(本体)1100円
<内容紹介>
202X年2月17日深夜2時、特別養護老人ホーム「ガーベラの里」から心肺停止状態の老女が搬送される。
スキューン、スキューン、スキューン、スキューン、スキューン……。静まりかえっていた救急救命センターに無機質な機械音が鳴り響く。ルーカス3(心臓マッサージ機)が、まるで餅でもつくかのように、絶え間なく97歳の瘦せ衰えた老女の心臓マッサージを続けている。すでに老女の脆弱な肋骨を何本か破壊し、胸郭は変形しはじめていた……
高齢化が進む現代社会の中で、介護・医療現場のリアルを余すことなく描き出す本作は、まさに“現場を知る医師”だからこそ書けた社会派医療小説です。ミステリーの要素を織り交ぜながらも、作品の根底に流れるのは「命」と向き合う人間たちの葛藤と希望であり、この作品が現在の医療・福祉の在り方や終末医療を考えるきっかけになってくれたら、こんな嬉しいことはありません。

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