| 書名: |
有明月の月下美人 |
| 著(訳)者: |
渡川鷹之 |
| 発行社(者): |
文芸社 |
| 印刷所名: |
株式会社暁印刷 |
| サイズ: |
四六判 |
| ページ数: |
116 |
| 発行年月: |
2025(令和7)年07月01日 |
| 分類: |
(03) 文芸=小説部門 |
| 定価(本体): |
定価(本体)1100円 |
<内容紹介>
202X年2月17日深夜2時、特別養護老人ホーム「ガーベラの里」から心肺停止状態の老女が搬送される。
スキューン、スキューン、スキューン、スキューン、スキューン……。静まりかえっていた救急救命センターに無機質な機械音が鳴り響く。ルーカス3(心臓マッサージ機)が、まるで餅でもつくかのように、絶え間なく97歳の瘦せ衰えた老女の心臓マッサージを続けている。すでに老女の脆弱な肋骨を何本か破壊し、胸郭は変形しはじめていた……
高齢化が進む現代社会の中で、介護・医療現場のリアルを余すことなく描き出す本作は、まさに“現場を知る医師”だからこそ書けた社会派医療小説です。ミステリーの要素を織り交ぜながらも、作品の根底に流れるのは「命」と向き合う人間たちの葛藤と希望であり、この作品が現在の医療・福祉の在り方や終末医療を考えるきっかけになってくれたら、こんな嬉しいことはありません。