Book No.07892
書名: きままに中南米ひとり暮らし 60歳からの出発
著(訳)者: 友田正彰
発行社(者): 本の風景社
印刷所名:
サイズ: B6
ページ数: 226
発行年月: 06 19 2011 10:19PM
分類:
定価(本体):
<内容紹介>
1999年6月、何一つコネや知人を持たない私の中南米への旅が始まった。これは、私の「ひとり旅」の中間報告である。

スペイン語のことわざに、人は「生きるために働くのであって、働くために生きるのではない」というのがあるが、「働けるだけ
働く」のは、働くために生きること、になりやすい。

日本人特有の勤勉思想と周囲の状況に合わせた自分の存在を意識して、異なる行動を遺棄する慣習が、このコトバを生み出しているのではないかと思うが、時代が変わったとはいえ、まだまだ、「旅行者=遊び人」というイメージをつくる日本の生活環境・庶民感覚は変化していないようだ。仮に、彼らの云う「働けるだけ働く」ことをやってみたとして、その後に一体何があるだろうか?身体の健康な間は働くが、働けなくなってから、海外旅行なんて出来るはずがないから、結局、老後は、庭いじりしたり孫の面倒でもみながら、死までの余生を静かに送る、というパターンになるだろう。

それで、満足できる人はいい、それで納得して人生を楽しむなら、それもいいだろう。が、多くの老人たちが決して納得や満足をしていないように思える。静かな余生のはずだったのが、何かと家族から干渉されたり、或いは邪魔者扱いされたりする老後を余儀なくされることも多いようだ。

(略)

「東海沖大地震が起きる可能性は極めて高い」と二十年前から誇大宣伝し、建築費コストを上げ、防災諸商品を蓄えさせ、派手な防災訓練を実施してきた。その総支出額は、既に予想される地震被害総額をはるかに超えていると云われているが、誰も疑問を持たないのはナゼなのだ。

それ、シートベルト着用だ、やれ、チャイルドシートだ、あれ、タバコは喫煙所で吸って下さい、とか、全て、個人の責任でやればいいことを、お上が一々口うるさく干渉するのはナゼだ。いつまでも幼児扱いしたい方と、幼児扱いされたい方々には、私はもう、とてもついてゆけません、って感じだった。

もういい、日本はもう卒業しよう。この国で六十年も生きてきたんだから、後の残された時間は、一寸、日本を離れて暮らしてみよう。外から日本を見れば、その良さが分かる、とも云うから、それを確かめてみよう、元気が残っているうちに、どこまで出来るかやってみよう、と思った。これは、私の「ひとり旅」の中間報告である。

(「まえがき」より)

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