昨年までと趣を変えた、今回の「第9回日本自費出版フェスティバル・第13回日本自費出版文化賞表彰式」は、例年同様に「自費出版の著者と製作・流通を担う者のふれあいの場」として開催されましたが、内容を大きくリニューアルしました。初心に帰って、「自費出版文化賞を盛り上げ、発展させることを自費出版文化の活性化につなげよう」ということが大きなコンセプトのもとの開催となりました。
当日は台風接近という思わぬ気象条件になりましたが、予定を上回る100名以上の参加者があり、会場は熱気に包まれました。会場では、午後1時前から第13回日本自費出版文化賞の入賞作品、入選作品、一次選考通過作品の展示や歴代入賞作品の展示紹介に加えて、アドバイザー有志による「自費出版相談コーナー」なども設けられました。2時からの受賞式典(表彰式)の中では、文化賞最終選考委員(中山千夏委員=日本自費出版ネットワーク代表)による詳しい入賞作品の講評に加えて、自費出版文化賞の入賞者(大賞、部門賞、特別賞)各氏による特別スピーチが行われました。
午後1時から2時までは自費出版文化賞の展示コーナー、相談コーナーが中心です。文化賞では、今年の入選・入賞作品はもちろんのこと、過去の歴代入賞作品も展示されました。
続いて、午後2時からは第13回日本自費出版文化賞表彰式の記念式典が行われました。 この日本自費出版文化賞は、社団法人日本グラフィックサービス工業会主催・日本自費出版ネットワーク主管で開催されています。主催者を代表してあいさつした日本グラフィックサービス工業会の吉岡新会長が「表彰を受ける皆さん、本当におめでとうございます。われわれ印刷、出版に携わるものは、日本の出版文化を守り、発展させていくことが役割です。今年は国際読書年ですが、それに合わせたいろいろな活動もして参りました。私達はこれからも、この自費出版文化賞を発展継続させたいと考えています。皆様も新しい著作に向けて活動を続けてください」と述べました(写真下右)。続いて、この文化賞の協賛会社各社を代表して、富士フイルムグラフィックシステムズ株式会社の営業部溝部豊部長があいさつに立ち「当社はその製品を通じて、日本の印刷・出版産業のお役に立っています。また、この文化賞を支援することで、自費出版文化の興隆に貢献できることは大変うれしいことです」とお祝いの言葉を述べました。
表彰式では、最初に、自費出版アドバイザーの認定書授与式が行われ、今回新たに認定された13名の方々に自費出版ネットワークの中山代表理事より認定証が授与されました。
第13回日本自費出版文化賞では、表彰式に先立ち 今回の第13回自費出版文化賞の入選・入賞作品について、最終審査委員会を代表して、中山委員より、審査の感想、各入賞昨品に対する講評が行なわれました。中山委員は、特別賞、部門賞、大賞のそれぞれについて、本の内容などを詳細に紹介、さらに、審査委員会での選考経過まで含めて、わかりやすい講評を行いました(写真下左)。
表彰式では、最初に、この日出席した入選者の方々をひとりずつ順に表彰。続いて入賞作品の表彰が行われました。
すべての表彰が終了したあと、今回はじめての試みでしたが、入賞された特別賞、各部門賞、大賞の入賞者の方々に、一人ずつ、入賞作品の思いや今回の受賞についての感想などのスピーチが披露されました。、表彰を受けた順に、『じょんのびよもやま日記』の小林康生さん。『句集 奈良朱し -私の奈良百句->』の 河合佳代子さん。『 人事労務管理事典』の 山岸俊正さん。『林十江の生涯 -画仙人 世の中の人には似ざりけり』の小林富雄さん。『ふるさと子供グラフティ(新装版)』の原賀隆一さん。『天皇陛下と大福餅-ある銀行員の昭和私史-』の秋葉洋さん。『三十六年後の買物』の中村秀眞さん。『満州開拓民悲史 -碑が、土塊が、語りかける』の高橋健男さん。『豚と共に』の山地としてるさん。最後に、 大賞の『対馬国志』の永留久恵さんが、次々と登場し、人柄と誠実さのあふれるお話が続きました。
最後に、日本自費出版ネットワークの友好団体である自費出版編集者フォーラムからのお祝いのメッセージが披露されたあと、写真撮影が行われ、式典は終了しました。
場所を移しての記念パーティ。来賓や参加者、受賞者の皆さんの楽しいお話がうかがえました。