第16回日本自費出版文化賞の最終結果
(2013年9月5日)

第16回日本自費出版文化賞 日程

以下の日程で行われました。
募集2012年11月~2013年3月
一次選考2013年4月~6月
二次選考2013年7月13日(土)
最終選考2013年9月4日(水) 東京
表彰式2013年10月12日(土) 東京・アルカディア市ヶ谷

第16回日本自費出版文化賞 応募総数・部門別応募数

応募総数は642点。部門別応募数は以下の通りです。
部門応募点数
・地域文化部門83
・個人誌部門112
・小説部門99
・エッセー部門111
・詩歌部門89
・研究・評論部門88
・グラフィック部門60
合計642

第16回日本自費出版文化賞 選考の経緯

3月末の締め切りを受け、5月からの専門委員による一次選考は、6月一杯行われ、約250点の作品を選出しました。これを受けて、7月13日の二次審査には専門選考委員12名が参加し審査が行われました。その結果、合計73点の入選候補作品が選出されました。
この入選候補作品の中から9月4日(水)に行われる最終選考会で大賞1点、部門賞7点、特別賞5点(協賛各社賞など)が選出されました。残りの入選60点も正式に決まりました。

第16回日本自費出版文化賞 最終選考結果

第16回日本自費出版文化賞(日本グラフィックサービス工業会主催、日本自費出版ネットワーク主管)の最終選考会は2013年9月4日に東京都内で開かれ、大賞1点、部門賞7点、特別賞5点(協賛各社賞など)が選出されました。表彰式は2013年10月12日(土)に東京都・千代田区のアルカディア市ヶ谷。

 大賞

  • 今回の自費出版文化賞・大賞に選ばれたのは吉田昭二さん(京都市)の『城州古札見聞録』(地域文化部門)。
    審査にあたった色川大吉委員長、鎌田慧委員は「ほとんど見ることのできない貴重な江戸から明治にかけて流通した古札・古紙幣を時間をかけて収集・記録し、カラー印刷で出版した大変な労作。ていねいな解説も書かれていて著者の情熱が伝わってくる」と、その選考理由を述べました。
  •  部門賞は各部門1点

  • 地域文化部門賞は『武相近代史論集-八王子・津久井を中心に-』 (沼 謙吉・東京都)。
     地味ながら地域の歴史の篤実な記録。キリスト教の伝播を通しての被差別部落の歴史や自由民権運動の流れなど郷土史家の労作。

  • 個人誌部門賞は『私の父はノーノーボーイだった -日系人強制収容に抵抗した父の記録』 (川手晴雄・東京都)。
    太平洋戦争下のアメリカで「米国への忠誠」を誓わなかった日系アメリカ人の労苦の歴史を2代に渡り描いた。不明だった実態がわかる貴重な記録。

  • 小説部門賞は『遥かなり三宅島-吉田松陰「留魂録」外伝-』 (永冨明郎・埼玉県)。
    選んだ中で群を抜いて面白く、感動した作品。歴史的な背景もよく書かれている。著者は吉田松陰の研究ではいくつか著作を出しているが小説は初めてということだがこれも驚き。

  • エッセー部門賞は『e love smile ~いい愛の笑顔を~ memory.1』 (島田妙子郎・大阪府)。
    コミック調の軽い文章だが、内容は両親からの虐待を受け続けた3人兄弟の物語。テーマとしては、人間のこころの闇のようなものが渦巻いているのに明るい文体。他のエッセイとは異質だが、自己主張の表現として、初のエッセー部門としてふさわしい。

  • 詩歌部門賞は『アフリカ詩集』 (登坂雅志・茨城県)。
    ほとんど日本には知られていないアフリカ在住の詩人たちの翻訳詩集。日本の現代詩が精緻になりすぎるなかで、この詩集はおおらかなアフリカの大地を感じさせる。

  • 研究評論部門賞は『銅鐸ノート 雷神の輝く日々』 (長尾志朗・岐阜県)。
    銅鐸に描かれた線画の意味を追求する研究書。専門家ではできにくい大胆な仮説をもとに、さまざまな科学の成果を取り入れて、雨乞いの祈りのための文様だと結論するが、自然にこれが納得させられる。

  • グラフィック部門賞は『榮之祐物語-父と母と私の介護日記』 (泉谷久美子・大阪府)。
    家族ぐるみの介護を4コマ漫画で描くという試み。1年1冊で、全5冊。なかには全員がパンダになっている巻もあり、実にユニーク。私小説として読んでほしいとかかれているが、とても好感の持てる作品。
  •  特別賞は5点

  • 『樺太、わが心の故郷』 (工藤敏行・大阪府)。
    戦前に過ごしたサハリンのことを多数の証言で構成。沖縄だけではなく樺太でもソ連軍との戦いがあったことを知ってもらいたいという執念を感じる。

  • 『上の下か 下の上か』 (藤井源弘・愛知県)。
    絵画で描いた自分史。詳細な歴史年表を作って、世界史の中で自分をどう位置づけるかを模索するなど、こういう形の記録がでてきたことは驚き。

  • 『アムール川端のノロ』 (丁 路・兵庫県)。
    外国人(中国)の方の小説が賞になるのは初めてではないか。文化大革命で下方、辛酸をなめるが、苦労話でなく、ひとりの人間の成長物語になっている。

  • 『回文平家物語』 (徳永未来・兵庫県)。
    上から読んでも下から読んでも同じという回文。これで平家物語の内容やエピソードを創作した。10行に渡るものもあり、実にユニークな詩集といえる。

  • 『水上の狩人 ミサゴ大全』 (平沢 修・香川県)。
    英語名でオスプレィ。このタカに見せられた著者が、よく撮れたと思うようなチャンスをとらえ、美しい映像美になっている。
  • 第16回日本自費出版文化賞 大賞作品

    部門 書名 著者 著者住所 発行者
    (01)地域文化部門 城州古札見聞録 吉田 昭二 京都府 吉田 昭二

    第16回日本自費出版文化賞 部門入賞作品

    部門 書名 著者 著者住所 発行者
    (01)地域文化 武相近代史論集-八王子・津久井を中心に- 沼 謙吉 東京都 揺籃社
    (02)個人誌 私の父はノーノーボーイだった -日系人強制収容に抵抗した父の記録 - 川手 晴雄 東京都 青山ライフ出版(株)
    (03)小説 遥かなり三宅島 -吉田松陰「留魂録」外伝 - 永冨 明郎 埼玉県 東洋図書出版㈱
    (04)エッセー e love smile ~いい愛の笑顔を~ memory.1 島田妙子 大阪府 株式会社パレード
    (05)詩歌 アフリカ詩集 登坂 雅志 茨城県 花神社
    (06)研究・評論 銅鐸ノート 雷神の輝く日々 長尾 志朗 岐阜県 (株)諷詠社
    (07)グラフィック 榮之祐物語 -父と母と私の介護日記 - 泉谷 久美子 大阪府 公募ガイド社

    第16回日本自費出版文化賞 特別賞作品

    部門 書名 著者 著者住所 発行者
    樺太、わが心の故郷 工藤 敏行 大阪府 牧歌舎
    上の下か 下の上か 藤井 源弘 愛知県 創栄出版(株)
    (03)小説 アムール川端のノロ 丁 路 兵庫県 株式会社 風詠社
    (05)詩歌 回文平家物語 徳永未来 兵庫県 パレード出版
    (07)グラフィック 水上の狩人 ミサゴ大全 平沢 修 香川県 MPパブリッシング

    第16回日本自費出版文化賞 入選作品

    部門 書名 著者 著者住所 発行者
    (01)地域文化 水都の気分 -超難問!大坂歴史人物クイズ仕立て - 末續 和正 大阪府 末續 和正
    (01)地域文化 丹波布に魅せられたひと 吉田 ふみ恵 兵庫県 ㈱北星社
    (01)地域文化 二宮の洞窟陣地 藤田尚志 神奈川県 戦時下の二宮を記録する会
    (01)地域文化 北東北の悪口辞典 小田正博 青森県 株式会社風詠社
    (01)地域文化 高田松原ものがたり-消えた高田松原ー 佐々木 松男 岩手県 有限会社 高田活版
    (01)地域文化 十勝の監獄 磯谷 悠三 北海道 磯谷 悠三
    (01)地域文化 カフェ放送てれれ――人と場をひらく映像表現―― 下之坊修子 京都府 ブイツーソリューション
    (02)個人誌 定年後は楽園 小野宗芳 愛知県 春風社
    (02)個人誌 EI Camino de Santiago サンティアゴ 星の旅 絵日記 川島 淳二 岐阜県 東京図書出版
    (02)個人誌 妻に贈る散文短歌 片山 力 埼玉県 青山ライフ出版(株)
    (02)個人誌 町の扉 一匹記者現場を生きる 伊神権太 愛知県 涌浦一之
    (02)個人誌 アルジェの檻 西野 雅徳 福岡県 風詠社
    (02)個人誌 南三陸町・巨大津波から生き残った 地元開業医の十二カ月 本田 剛彦 宮城県 創栄出版(株)
    (02)個人誌 7つの海を泳いでくるよ -森下 大 21歳の履歴書 - 森下 大 大阪府 星湖舎
    (02)個人誌 原爆の子の像 -六年竹組の仲間たち - 川野 登美子 広島県 文化評論
    (03)小説 記憶の綵 水田 まり 三重県 日本図書刊行会
    (03)小説 湖猫、波を奔る 弟子吉治郎 岐阜県 サンライズ出版
    (03)小説 医の旅路はるか -曲直瀬道三とその師田代三喜篇 服部忠弘 東京都 株式会社パレード
    (03)小説 ささやき 栗原 治人 神奈川県 京浜文学会 出版部
    (03)小説 そかい 竹井 連 静岡県 竹井 連
    (03)小説 大人の童話集 つなみ 青木 ガリレオ&出泉 アン 埼玉県 青山ライフ出版(株)
    (03)小説 浮遊する記憶 菊池 尋子 岩手県 ツーワンライフ出版
    (03)小説 「だいじょうぶ」「忘れないよ」読み聞かせ児童書  いけださぶろう 神奈川県 文芸社
    (04)エッセー ぼくの鈍行昭和史 柘植 豊 東京都 デナリパブリッシング株式会社
    (04)エッセー 絵解き謎解き 江戸のそば猪口 岸間 健貪 東京都 有限会社ブックハウス・エイチディ
    (04)エッセー 宮沢賢治の童話を読む 茂呂 光夫 新潟県 ㈱新潟日報事業社
    (04)エッセー 君達に捧げる 中村 巖 広島県 中村 巖
    (04)エッセー 日本人なら絶対知っておきたい韓国の歴史 山﨑 赤秋 東京都 株式会社 幻冬舎ルネッサンス
    (04)エッセー エロスと曼荼羅 -臨床医の旅見聞録 - 井上 勝六 山梨県 丸善プラネット
    (04)エッセー 深沢七郎への思い 森田進 東京都
    (04)エッセー 学級愉快 ~そこには、子供、先生、親の溢れる愛があった~ 松村 二美 東京都 株式会社 風詠社
    (04)エッセー ゾウのつぶやき 阿部 穣 宮城県 創栄出版(株)
    (04)エッセー リッチモンドの風 野中 康行 岩手県 ツーワンライフ出版
    (05)詩歌 二条谷 内藤 充 東京都 ㈱東京四季出版
    (05)詩歌 ソヴァージュの柳 小林 優子 北海道 ㈱角川学芸出版
    (05)詩歌 鳥の意思、それは静かに 宮岡 絵美 大阪府 港の人
    (05)詩歌 花篝 岩本 尚子 東京都 角川書店
    (05)詩歌  「有為の奥山今日も越えて」 太田 隆夫 福島県 太田 隆夫
    (05)詩歌 淡き月かげ 金野 幸代 和歌山県 風詠社
    (05)詩歌 杳 -沙羅杳子第二句集 - 沙羅杳子 埼玉県 鈴木 一榮
    (05)詩歌 3.11の詩人たち -こころの軌跡 - 大船渡詩の会 岩手県 大船渡詩の会
    (06)研究・評論 童謡・唱歌の文化史 梶 亨 神奈川県 観光文化創造研究所
    (06)研究・評論 泊・横浜事件七〇年 端緒の地からあらためて問う 金澤 敏子、阿部 不二子
    瀬谷 實、向井 嘉之
    富山県 梧桐書院
    (06)研究・評論 62歳からの介護職 金子 進 千葉県 杉並けやき出版
    (06)研究・評論 アール・ヌーヴォーのデザイナー M.P.ヴェルヌイユと日本 廣瀬 緑 Palaiseau クレオ
    (06)研究・評論 差押え 実践・滞納処分の対処法 東京税財政研究センター 東京都 東銀座出版社
    (06)研究・評論 フクシマの真実と内部被曝 小野俊一 熊本県 七桃舎
    (06)研究・評論 幻想の24時
    〈第1部〉0字の時計の話 〈第2部〉零の発見の謎
    安藤隆雄 大阪府 ほおずき書籍株式会社
    (06)研究・評論 流刑地哭く -クリスチャン典獄と白虎隊看守長 - 若林 滋 北海道 中西出版
    (06)研究・評論 桃太郎の謎 山口 勝久 福岡県 創栄出版(株)
    (06)研究・評論 刀銘集覧 壱 辻本 真幸 京都府 北斗書房
    (07)グラフィック 午後の風 柘植 豊 東京都 デナリパブリッシング株式会社
    (07)グラフィック 写真集 塩竈 東日本大震災の記録 三浦一泰 宮城県 特定非営利活動法人 NPOみなとしほがま
    (07)グラフィック 雲取山から光岳へ  -カメラ紀行 福島 静雄 写真集 - 福島 静雄 山梨県 福島 静雄
    (07)グラフィック 珍盃コレクション帳(全二冊)
    -第一分冊・様々な面盃 第二分冊・酒興用笑い種盃-
    玩杯 隠士 広島県 BooKWay
    (07)グラフィック 新 八王子の人びと 宮川孝之 東京都 揺籃社
    (07)グラフィック 神との旅路 鈴木亜希子 東京都 東銀座出版社
    (07)グラフィック 『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』 福田 緑 東京都 丸善プラネット株式会社
    (07)グラフィック 江津湖の野鳥 新庄 俊郎 東京都 新庄俊郎 (個人)
    (07)グラフィック 楽しんでCLAYART 江口 宏 大阪府 ARTBOXインターナショナル

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